想い



ああ、いとしい人よ
私はあなたにそばにいてほしい

たとえば冷たい雪の降る夜
あなたが部屋にいるだけで
ここはたちまち
光あふれる春の野原になるでしょう

たとえば暑く眠れない夜
あなたの声が部屋にあるだけで
それはたちまち
風そよぐ高原のせせらぎになるのです。

ああ、いとしい人よ
あなたのそばにいさせててほしい

見てのとおりの臆病者が
あなたのそばにいるだけで
たちまちのうちに
人生を切り開く冒険家になるでしょう

背中の曲がった中年者が
あなたの声を聞くだけで
たちまちのうちに
背筋の伸びた上品紳士になるのです

ですから
ああ、いとしい人よ
私はあなたにそばにいてほしい

ああ、いとしい人よ
私が死ぬるその日まで
あなたにそばにいてほしい









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