思い上がり
本を読んでいてふと思った
あのとき僕はただ
泣いている君の心によりそいたかっただけ
君が笑えるように
ただそれだけを祈っていた
なのに気がつくと
君が笑っていても
まるで自分がそうさせたかのように
あたりまえに思っていて
ときには
なんだか君の恋人にでもなったかのよう
ほんのすこし
君がこちらを向いただけなのに
思い上がりもはなはだしい
そう
もう一度はじめに戻って思い返そう
僕にできることは
君の涙によりそって
じっと一緒にいることだけ
君をたくさん笑わせて
負けるなって祈ることだけ
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