恋愛不可
君が来てくれたから僕は幸せになれた
君がいてくれたから僕は幸せでいられた
夏を待つ間のひと時
思い出すのは君のひとみばかり
確かにあのとき
そのひとみの中には僕がいた
僕を映してそのひとみは
しあわせそうに輝いていた
けれど
僕は何もできなかった
そのひとみの輝きに
ただ一つ答えることさえできなかった
その代わり
自分を守りたい
汚い大人の姿だけを
君の前にさらしつづけた
やがて
季節の移ろい
そのひとみは僕を映さなくなり
君の話題は先輩にかわっていった
僕は
自分が作り出した淋しさの中でおぼれ
自分の中から湧き出す悲しみに
身をさらすしかなかった
君の声は遠ざかり
君の姿さえかすんでいった
いまさらもう好きだったなんて
いまさらもう愛してたなんて
そんな言葉が意味を持つほど
普通の二人じゃなかった
僕はただ
君がくれた誕生日プレゼントを燃やしながら
目に焼きついた
君のひとみを消そうと試みるのだった
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