聞かせて…
映画館から出てくる
カップルの波をかき分けていても
笑いながらゆっくり歩く
彼と彼女を追い越しても
ストリートファッションの彼に
ウエスタンブーツの彼女が寄り添っていても
お父さんとお母さんの間で
おめかしの女の子が飛び跳ねていても
コンピュータのことを
自慢げに説明する声を聞いても
その声に感心してみせる
かわいらしい声が耳に入っても
クリスマスソングが流れる街を
ひとりで歩く僕は
ひとつも
淋しくなんかない
ぜんぜん淋しくなんかない
そう
いまはきみへの想いが
僕を支えてくれるから
きみの面影を胸に抱けば
こんなにしっかり歩いていけるから
だから…
だから聞かせて…
ときどきでも
ほんの少しだけでも
きみの言葉を…
きみの声を…
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