くーちゃん
むかしむかし僕のそばに
くーちゃんがいた
あるとき
僕は新幹線と飛行機に乗って
くーちゃんの家に行った
くーちゃんのお父さんに会った
くーちゃんのお母さんに会った
４人でいろんなところをまわった
阿寒湖、オンネトー
層雲峡、屈斜路湖
能取岬、知床半島、知床五湖
羅臼、摩周湖
４人でいろんなものを食べた
ほっけの開き、ジンギスカン
とてもすてきな日々だった
そんな日々の終わり
僕はくーちゃんのベッドにいた
声をかけていいのですか
髪をなでていいのですか
抱きしめていいのですか
あなたの瞳は私を見つめるだけ
ふたりで眠る夜がふけて
僕はそれでも眠りたくない
この時間が
決して終わらないと信じていても
今このときが惜しいのです
どんなに近く抱き寄せてみても
もっと近くにいたいのです
眠らないであなた
眠ってしまわないで
ひとりの世界へ戻らないで
そんな日々が過ぎて
数ヶ月が過ぎたころ
くーちゃんは突然
ほんとうに
僕の前から去っていった
そして二度と帰っては来なかった
くーちゃんあのね
ペケさんは
あなたと同じ絵を書く人に
出会いました
|
